続・小梁の架け方 2023.02.24 DEN BLOG こんにちは。構造設計部1年目の中谷です。 皆さんは梁(はり)を知っていますか? 建物は柱や梁、壁、床で構成されています。 下の写真は弊社設計部内の天井を撮った写真で、天井部分に形が表れている水平方向の部材が梁です。 実は、上の写真は厳密に言うと天井は貼られておらず、階高を確保したい場合にこのようにすることがあります。 天井が貼られている場合は梁が見えないことが多いですが、身の回りにもあるはずなのでぜひ探してみてください。 そして、梁の中でも床を支えることを主な目的とした比較的小さな梁を小梁(こばり)と言います。 仮に小梁が邪魔だからと取ってしまうとどうなるでしょう。 床が上階の重量を支え切れず、極論を言えば、上の階の人が落ちてきてしまいます。 実はそれだけ重要な存在なんです! ここからは少し専門的な内容になるのですが、ぜひ読んでみてほしいです。 今回のタイトルは、「続・小梁の架け方」ということで、実は数年前にも小梁の架け方について書かれた記事があります。 というのも、その当時私はまだ学生なので、今の先輩にあたるHさんが書かれたものです。 就活真最中に傳設計のブログを眺める機会があり、そういえばそんな記事があったなと思い、続編を書いてみました! 気になる方はぜひご覧ください ↓ ↓ https://www.dens.co.jp/blog/202102133991/ 前回は「鉄骨造の小梁の架け方」を主に取り上げた内容でしたので、今回は「RC造の小梁の架け方」について取り上げてみます。 ちなみに、S造であれば、デッキプレートの許容スパンや梁の座屈止めで配置が決まることが多いようです。 こちらについては、また別の機会にお伝えできればと思います。 では、RCの小梁はどうでしょう。 直近でちょうどRC造の建築物の計算を行ったのでそこでの経験を踏まえて整理してみたいと思います。 RC造の小梁の配置は、一般的には、床面積とスラブの厚さ関係から決まることが多く、 その配置方向は、小梁がより短くなるようにかける方が合理的です。 これは、小梁を短手方向にかけることで小梁自体のスパンが短くなり、小さな断面に抑えることができるためです。 また、スラブの荷重伝達を考慮するうえでも、正方形に近い形に割ってあげる方がよいです。 しかし、下図のように配置が制限される場合もあります。 今回は、有効深さ1.5m程度の地下ピットがあったため、ピットを囲むように小梁を配置しピットの深さに合わせた梁せいとしています。 ピットとは、主に設備機器の配管を通すためや、水を貯めるためのもので地下に設けるものを指します。 とくに意匠や設備との打ち合わせが重要になる部分で、床下点検の際に人が通るための有効寸法の確保や、梁と設備配管との干渉等に配慮が必要です。 また、吹抜けや階段などがある場合も同様で小梁で区画する必要があります。 他にも耐力壁や間仕切り壁の上下にも配置します。(※場合によってはスラブで支持することも可能) 小梁だけでも考えることがとても多いです。 配置は? 断面寸法は? 配筋は? 設備との関係は? たわみは大丈夫? ここまで比較的難しい内容についてお話しました。 大学の授業ではここまで教えてくれないので、1年前の私がこの記事を読んでもポカーンとすると思います。 この1年でBIMや構造計算、図面作成など多くの業務に触れることができ、多くのことを学ぶことができました。 もうすぐ社会人2年目に入りますが、引き続き日々成長できるように向上心を持って取り組みます。 構造設計部 中谷 「大丈夫?」を言い換えたい! 傳設計DX計画 一覧に戻る