小梁の架け方 2021.02.13 DEN BLOG こんにちは。構造設計部の堀内です。 さっそくですが、想像で下図に線を3本追加してみてください。 【写真】9.0m×8.0mの四角形の絵 線を追加した後の絵は下図にありますか。 【写真】3本の線を追加した絵 ちょっと心理テストのようですが、心理テストではありません。 今回は、 鉄骨屋根 の『小梁の架け方』についてお話いたします。 小梁とは、床や屋根の荷重を支える梁部材のことです。 説明の便宜上、↔をX方向、↕をY方向と呼ぶことにします。 鉄骨造の建物では、屋根に折板(せっぱん)やデッキスラブ(デッキ床)を 使用することが多いと思います。 【写真】折板とデッキスラブ(イメージ図) どちらを採用する場合においても、一般的に『小梁』が必要です! では、どのように小梁を架けるのが良いか、ということで冒頭の質問に戻ります。 線を3本追加する質問は、小梁の架け方について考えるために行ってみました。 正解は・・・実は、すべて正解になり得ます。 というのは、小梁の架け方は『設計者』次第なのです。 今回、傳設計の社員である構造設計者Aさんに協力をお願いし 以下のアドバイスを頂きました。 小梁の架け方について、 ★各スパン(=柱と柱の距離)ごとにX方向・Y方向交互に 小梁を配置することが応力を考える上でベスト! しかし、各スパンごとに小梁の向きを変えると、現場はその小梁の向きに 合わせてデッキプレートの向きを変える必要があるため大変になります。 デッキプレートはイメージ図にあるような凹凸状・波状の鋼板です。 もちろん、現場が大変だからという理由で最良の設計から別の設計へ 変えることはありません。 では、実際に傳設計でよく設計する方法は ★小梁の種類が多くならないように小梁を架ける! 例えば、冒頭の9.0m×8.0mであればX方向(↔)に小梁を3本配置すれば 2.0mずつ均等に小梁を配置することができます。 実際の設計においてすべてのスパンが揃うことは稀です。 下図のようにX方向のスパンが同じ(すべて6.0mスパン)で Y方向のスパンがバラバラ(2.0m、3.0m、5.0m、4.0mスパン)ならば、 全部同じスパンになる向きに小梁を配置すれば同じ大きさの梁で設計できるかもしれません。 →小梁のスパン(長さ・距離)が6.0mになるように配置する。 【写真】小梁の架け方(イメージ図) 1階や2階は室の用途(事務所や廊下、トイレなどの用途)によって床荷重が変わるため スパンが同じであっても同じ大きさの梁にはできませんが、 『屋根』である面は荷重が同じであるため小梁の大きさを揃えやすいのです。 今回はほんの一例ですが、小梁の架け方を考えることも構造設計のひとつで、 私自身もどちらの向きに架けるのが良いか考えながら日々、設計を進めています。 【写真】頭の中で考えているイメージ 話は変わりますが、2月ということでインターンシップが始まります。 今回は私たち初めての試みでもある『オンラインインターンシップ』での開催です。 さっそく来週(2/15~の週)実施します! オンラインではありますが、画面を通して傳設計の1日の様子や 構造設計部の仕事の様子、雰囲気を少しでも知って頂ければ幸いです。 参加される学生の皆さん、よろしくお願いいたします! 構造設計部 堀内 時代の変化と共に 沖縄にて建築監理の日々 一覧に戻る