安全・安心な建物の設計~基礎編~ 2023.06.07 DEN BLOG こんにちは。構造設計部の堀内です。 これまで傳設計ブログを通して構造設計に関する様々なことについてお話を してきましたが、安全・安心な建物を設計するという観点で今後ひとつずつ お話できたらと思います。 建物を建てたいと考える方(お施主様)、建物に入居したいと考える方、 建物を売買したいと考える方、立場は様々ですが皆さん共通して、 建物というのは安全に過ごすことができ安心して使用することができることが 大前提だと思います。 法順守や避難、防犯性、省エネ・・・意匠的に考えることも膨大にありますが、 構造的な視点で考えるとまずは、安全安心な建物を設計するためには すべての構造部材を安全に設計しなくてはいけません! 構造部材というのは建物を成り立たせている部材で、柱や梁、壁、床、 基礎などがあります。 その中でも今回は『基礎』についてお話いたします。 『基礎』は建物が完成したあとでは基本的に見ることができません。 理由は、『基礎』は一般的に地面の下にあるからです。 すべての建物の下には『基礎』がいて、建物がそこに安全に存在できるよう 地面の中から建物を支えています。 すごいですよね! 構造設計において私が特に不安になり細心の注意を払う部分の1つが 基礎の設計です。 では、『基礎』ってどんな形をしていると思いますか? 【図】基礎のイメージ図 実はまったく同じ種類の基礎でも大きさを決めるのは設計者なので、 例えば同じ5階建てのマンションで同じ種類の基礎であっても大きさが 違うことはあります。もちろん、安全な設計を行う過程で設計者が この大きさにした方がよいと考えて大きさを決めているので大きさが違っても 安全な基礎が設計されています。種類が違う基礎は絵の通り形も違います。 わたしが直近で携わった14階建てのマンションは今までで1番難しく、 建物全体の計算はもちろんのこと、基礎も何度も計算をし直したり 基礎の大きさを見直したり基礎の中にある鉄筋の本数や配置を見直したり 試行錯誤となりましたが、社長や先輩方だけでなく別の構造事務所の 方からもご指導をいただき無事設計を行うことができました。 このマンションの基礎の設計では、基礎と基礎梁の連結補強筋 というものを配置しました。 【図】連結補強筋のイメージ図 『基礎』1つにしても毎回同じように考えること、特別に考えることがあり、 設計する建物ごとに必要な検討を行うことで安全安心な基礎の設計を 行っているのです。 構造設計部 堀内 天神地下街の装飾 社会人1年目を振り返ると… 一覧に戻る