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生菌

2021.11.10

こんにちは
設計部の永沼です。
今回は、菌(カビ)の話をさせていただこうと思います。
たまたま業務の中で、竣工前の建物のカビの調査を行うこととなり、検査機関にて、検査をお願いすることとなりました。上図が、落下法と呼ばれる、サンプリングの状況です。
検査の流れとしては、
ペトリ皿(シャーレ)2皿を5分間暴露します。
採取後に、35℃の温度で、48時間で培養します。
結果は、シャーレ内のコロニー数(cfu/皿)の平均値をカウントします。コロニーとは菌の集落を示し、目視にてカウント、確認できます。検査はシンプルですね。

さて、検査結果ですが、検査は、室内と外部を行いました。
室内=1 (コロニー数/皿)(cfu/皿)
外部 =13(コロニー数/皿) (cfu/皿)でした。
結果、外部の方が、多く菌が浮遊しているのが分かりました。外部の皿の中に赤いやつがいますね。なんでしょうか・・

室内の空気汚染に関するものとして、微生物があります。
微生物は、大きくウイルス・細菌・真菌(カビ)に分けられます。細菌の発生源は在室者、真菌は環境由来であるそうです。
今回の検査は、生菌のカウント結果で、カビなのか細菌なのかは断定はされませんが、どの程度菌がいるかは判断できる材料となりました。ちなみにカビだけ抽出するには、別の検査が必要だそうです。

建築学会では、室内空気汚染について基準値の提案がされてます。
例えば、落下法でいくと事務所では20個以下、学校では10個以下など。(細菌、真菌それぞれ基準あり)
参考に検査機関の方に聞いてみたのですが、最近大量にカビが発生した建物の調査を行ったなかで、多いところで29(cfu/皿) だったそうです。
今回の結果に対して、普段は全く気にしていませんが、私も菌の中で生活をしていることが実感できました。
最後に、このペトリ皿(シャーレ)の中身が気になったので、検査機関の方に中身は何でしょうか?と聞くと、寒天だそうです。
普段はガリガリに仕事をしていると少し道が外れた仕事がとても面白く感じました。(笑)

以上沖縄からでした。